黒澤尻見聞古記 5 喜右衛門見舞の時の付届

元祿六年十一月四日に喜右衛門見舞に參候時付届申候

 

一、此度御町往來成兼申候に付而、貮間、中門指添屋敷金貮切と、代八百文に相渡申度實正に御座候。右之家屋敷に居又何方へ成共望に候而參共右之本金に而相返し可申候。又別に家作居候而何方へも參候共、其時之見合次第に相談仕り返し可申候。其時の聞人には久兵衛庄吉兩人にて御座候。請取渡の手形は六兵衛仕喜右衛門手前に有之、又此末之次第に相談之上にて右之屋敷返し申に成共　又別而手形六兵衛手前に有筈。