鷲の巣金山精錬所の絵葉書
2015.12.17 |Category …郵便で、…
絵葉書の出品は未使用が多いのですが(と感じているが)、珍しくこれは実逓便だった。
鷲巣鉱山から亀島重治という人が、盛岡市中之橋通の亀島泰治という人に送ったものだ。
鷲巣鉱山と大荒澤鉱山を視察して仙人に宿泊した事を報告する内容で、7月8日付けになっている。
鷲巣鉱山は鷲巣金山のことだろうが、大荒澤鉱山は大荒澤銅山のことか。
残念なことに消印が読めない。
分かるのは、?.7.9 后6-9 だけ。
年号は下右が丸みを帯びていることし分からない。
貼られている切手は、裕仁立太子礼記念1銭5厘。
この切手は大正5年11月3日発行なので、消印は大正6年かも。
かなり厳しいが、局名は「岩手」で始まるように見えなくもない。
「岩手」の位置から5文字の局名っぽい。
で、仙人に宿泊とのことで、和賀仙人郵便局か。
今は廃局になっているが、大正6年当時なら「仙人山郵便局」と称したとのことだから、「岩手仙人山」かもしれない。
泰治・重治は兄弟か親族だろうか。
視察って?
単なる同姓同名かもしれないが、法政大学教授に亀島泰治というひとが居た。
北海道大学に経済学部を作るときに財政学担当教員として招聘された?ようであるが、結局学部は文部省のOKが出ず、2年後に転出している。
その亀山泰治は、戦前、大原社会問題研究所に在籍していたようだ。
大原研究所は大正8年創設、昭和24年に法政大学と合併している。
法政大学教授・亀島泰治の出身地は知らないが、もし、この葉書の受け取り人と同一人物なら、重治の鉱山視察は経済学か社会学の研究・調査の一環だったかもしれない。
なんて勝手に想像すると、なんか楽しい。
のだが、落札する気にはなれなかったけどね。
因みに落札価格は7461円だった(終了日時12月11日22時26分)。