黒澤尻見聞古記 34 御諏訪大明神御たび所仕始の事
2010.07.27 |Category …北上で、…
一、御諏訪大明神御たび所仕始之事。寶永二年酉の七月廿七日のはじめ成り。同六月公本様の御袋様御遠行被遊に付、高聲鳴物御法度の事六月晦日に被仰付候。それより七日過候にて御免無之内は毎々通御法度と被仰付、然ば七月廿七日の御祭禮仕度と申上候へば、御城代衆松岡藤右衛門様、宮部圖書様より被仰付候は、七月之内は祭禮成間敷候間、所之者共御祭禮勤申度と申候はば、來八月に成候はば相勤候様にと被仰付、七月廿七日は御まつり相止申候。就て八月廿日に七月廿七日の代りに御祭禮相勤申度と申上候へば、御城代衆より左様に相勤候様にと被仰付、八月廿日に御祭禮相勤申候。廿日之晩は御たび所に泊り同廿一日に本宮へ御こし戻し申候。是は御たび所之仕はじめに御座候。御代官衆は小山田善左衛門殿、宮手茂兵衛殿に御座候。御たび所の畑町分村新町釆女屋五十刈、本町持七屋五十刈、代五かん文宛十かん文に買切申候。